viteraska
- type :
- Itarian restaurant
- location :
- 大阪府羽曳野市
- date :
- 2024.7
- size :
- 66.40㎡
- photo :
- 河田弘樹
大阪府羽曳野市、世界遺産「古市古墳群」の一つである「白鳥陵古墳」を目の前に眺め、日本最古の官道「竹内街道」に面するイタリアンレストランのインテリアデザインである。
築150年の古民家を改装した。
オーナーシェフの父親の生家であるこの家は改装を繰り返し、積み重ねた年月の情緒と昭和の新建材がちぐはぐに混在していた。
まずはじめにそれらを整理し土と木の状態に戻したが、今では手に入れることができない4種類の型板ガラスは積極的にその価値を認め、保存・転用して記憶を継承した。
次に、振る舞われる現代的な料理に合わせて、メッキ鋼板・ステンレス・人造大理石を各所に配し、この場所でしか成し得ない過去と現在のチューニングを試みている。
街道沿いには、オーシャンビューならぬ「古墳ビュー」のピクチャー・ウィンドウを穿って1400年に渡る悠久の時の流れを顕在化させ、さらに鏡面ステンレスの掛込天井とすることで窓へのベクトルを強めると同時に、街道の移ろいに像を結んで現在(いま)の風景を取り込んでいる。
訪れた人々が過去と現在が混ざり合う中で、時間を忘れて料理に舌鼓を打ってくれたなら、たまらなく嬉しい。