ときすし
- type :
- Sushi restaurant
- location :
- 大阪市
- date :
- 2020.6
- size :
- 96.93m2
- photo :
- 河田弘樹
すし屋のインテリアデザインである。
新鮮な魚をリーズナブルな価格で提供する本店は大阪の繁華街ミナミの露地裏にあり、いつも行列ができる人気店として知られている。今回初のSC出店にあたり、茫洋とした飲食店フロアの中に、これまでの大衆的な雰囲気と親密な界隈性をどのように作り出すことができるのかを模索した。
外観は全ての壁を取り払い暖簾仕上げとし、入り口を頂点に富士山のシルエットをなだらかに描いた。さらにそれらのヒダのピッチに合わせて欄間部分に白い提灯を反復させることでリズムを刻み、フロア全体に向けて賑わいと華やかさをつくり出した。
内部は全体を異素材からなる白と黒の2トーンとして規律を与えた中に、魚の鱗を想起させるクロメート処理を施したスチールを一部に使用している。
SCにあって、店内の活気に満ちた気配は揺れる暖簾の隙間から店の外まで溢れ出し、路地裏さながらに多様な人々が同時に居合わせる都市の魅力を獲得する。